この記事は、SQFI ホームページにある Edition 9 Guidance Documents を参考に作成しており ます。(https://www.sqfi.com/resource-center/sqf-guidance-tip-sheets-and-checklists/ )
この記事では、SQF第9版のガイダンス文書18項目の1つ
今回で3項目目となる「契約製造業者」について解説しています。
全ての企業に当てはまるわけではありませんが、参考文書として読んでいただければ幸いです。 不明点、質問などありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
適用されるコードの要求事項
1、2.3.3.1
2、2.3.3.2
3、2.3.3.3
4、2.3.3.4
概要
SQF認証サイト(以下表記を自社)が、製品の一部または全てを製造、加工処理、梱包、および保管するために契約した施設(サイト)がここで言われている契約製造業者となります。
自社と契約製造業者の関係性は、製造プロセス上重要な部分になるためサプライヤーの関係(“供給元と買手”の関係)とは異なります。
この要求事項では、委託先(請負業者)と自社の両方が、食品安全上の危険をSQFコードに沿った方法で管理されることを要求しています。
この要求事項のポイントを4つ、下記記載いたします。
① リスク評価
2.3.3.2に要求事項として「リスクを文書化する」とあります。製造委託することでどのようなリスクがあるのか、まずはハザード分析を行いリスク評価し、管理方法を明確にします。そして、これらの評価内容を文書化します。(要求事項に“文書化”と記載があれば必ず文書化しなければなりません。)
②管理方法の明確化
業務委託する製品や工程が高リスクか低リスクかを明確にします。2.3.3.2にさらに詳しく要求事項が記載されていますが、ⅰ〜ⅲの手順や方法、頻度も文書化します。
(SQF食品安全コード:食品製造から一部抜粋)↓
2.3.3.2 サイトは、契約製造製品の食品安全リスクレベルの特定方法を確立し、リスクを文書化するものとします。
サイトは以下を満たすものとします。
i. 高リスクと見なされる委託製造業者の製品およびプロセスは、サイトまたは第三者代理業者による審査を受
けて、SQF食品安全コード(食品製造)ならびに規制および顧客要求事項の遵守を確認する
ii. 低リスクと見なされる委託製造業者の製品およびプロセスは、SQF食品安全コード(食品製造)の要求事項
、又はその他のGFSIベンチマークを受けた認証プログラムおよび規制、顧客要求事項を満たす
iii. 契約上の合意に対する変更が、両当事者によって承認され、関係要員に伝達される
高リスクの場合SQF食品安全コードの遵守確認も求められていますが、SQF食品安全コード=食品安全マネジメントシステムと捉えてください。このことをふまえ、かつ上記①と繋がりますが食品安全上のリスクが管理されているか自社が責任を持って確認しなければなりません。
③保管及び流通業者
原料や製品などの保管、流通業者についても上記①のリスク評価により管理方法を明確にし、SQF食品安全コードへの適合および規制、顧客要求事項に適合していることを検証しなければなりません。
④契約上の合意内容を記録・維持
契約製造業者(保管、流通業者も含む)への審査、契約、及び契約上の合意に対する変更は両当事者に承認され、関係要員に伝達されなければなりません。かつ、それらを記録し、維持しなければなりません。
例1:仕様を最新の状態に保つにはどのようなプロセスに沿って委託先と情報共有、両当事者の承認を行うのか。
例2:顧客要求事項が追加された場合は契約製造業者にどのように連絡及びそれらの遵守確認を行うのか。
上記4つのポイントもふまえ、契約書や規程、手順などを作成し必ず文書化します。規程や手順には下記の内容を主に盛り込みます。
・責任者
・ハザード分析したリスク評価(高リスク or 低リスクなのかも明記)
・管理方法(方法、確認する担当者、頻度 など)
・合意内容が変更になった際の伝達・共有方法及び対象者 など
この要求事項を通して契約製造業者とのコミュニケーションを大切にし、安全・安心の食品を消費者に届けるという認識の元、双方でリスク管理を確実に実行しましょう。
2022年9月
ここまで読み進めていただきありがとうございます。
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